ミニキャンプノート-3日目
レイダーズは 5/10(日)の午前中、カリフォルニア州アラメダにあるチーム施設でミニキャンプ最終日の練習を行なった。ルーキー、ベテラン共々2009シーズンの準備に向け充実した練習ができたと感じたようだ。今年5年目を迎えるLBカーク・モリソン(52)は今年もっとディフェンス陣でリーダーシップを発揮できることに興奮を隠せない。LBモリソン(52)は「チームの中で強いリーダーになることは今年俺が絶対やらなきゃいけないことだと思っているんだ。」とコメント。昨シーズンは全16試合に先発出場し計135タックルを記録した。2009シーズンに向け、LBモリソン(52)は興奮しながらシルバー& ブラックの練習着に身をつつんだ。「フィールドに戻ってきて嬉しいよ。フィールドでプレーするためにオフシーズンにワークアウトをしてきたから。これからは、シーズンに向けた練習を行なってレギュラーシーズンに備えるのさ。今秋、チームがどういう風になるのかがこの時期の練習に懸かっているので今は非常に重要な時期。」とフィールドを出てコメントした。
LB(52)モリソンやディフェンスのチームメートはこの3日間で今年のドラフト2巡目に指名を受けたオハイオ大出身のSマイク・ミッチェル(34)を高く評価した。LBモリソン(52)はSミッチェル(34)を、「(ミッチェルは)学ぼうとする気持ちが強いからよく質問してくる。こういった奴がいるとフィールドでの適応力が早くなるんだ。ミニキャンプを見てきてミッチェルの加入はチームにとってプラスになるね。」と評する。Sミッチェル(34)の存在により、Sマイケル・ハフ(24)、FSハイラム・ユージーン(31)、DBタイヴォン・ブランチ(33)といったセカンダリー陣のベテランにも気合が入り、オフェンスにプレッシャーをかけた。LBモリソン(52)はセカンダリー陣がディフェンス陣の潤滑油として、他のディフェンス陣にドミノ効果をもたらせばと期待している。「チームはランディフェンスに対し昨年と違ったアプローチで臨まなければならない。セカンダリー陣が盛り上がれば皆気合が入ると思うよ。セーフティーがターンオーバーの機会を増やせば、他のポジションだって黙っちゃいない。皆プレーに絡みたいからね。」とLBモリソン(52)は付け加える。
オフェンス陣では、昨シーズンやってきたことを土台にまたステップアップしようとしている。3年目のWRジョニー・リー・ヒギンズ(15)は昨年の活躍から今季先発の座を狙っている。このミニキャンプでWRヒギンズ (15)はQBジャマーカス・ラッセル(2)から幾度もパスをキャッチし、先発QBの昨年からの成長に驚いている。WRヒギンズ(15)は「(ジャマーカス)はもっとディフェンスを見るようになったね。それから俺達にもっと話しかけるようになった。あとは俺たちがタイミングを合わせるだけだ。」とコメントした。それから、WRヒギンズ(15)は今ドラフトでチームが1巡目にWRダリアス・ヘイワード-ベイ(12)、4巡目にWRルイス・マーフィー(18) を指名したことで、レイダーズWR陣がかつてないほど他チームに脅威を与えることができると感じている。「コーチはWR陣の遅いタイムが40ヤードダッシュで4.33秒って言っていたから要は皆スピードと能力があるってことだろ。俺たちはお互いをプッシュしていくだけだ。昨シーズンは良い形でシーズンを終えることができたし、レシーバーだろうがランニングバックだろうがタイトエンドだろうがクォーターバックだろうが皆でプレーを決めていくだけだよ。兄弟みたいなものさ。皆で助け合って良くなって行くんだ。」とコメント。ミニキャンプの3日間でWRヒギンズ(15)の目に留まったのは、幾つも目立ったキャッチを見せた今ドラフト4巡目のフロリダ大出身のWRルイス・マーフィー(18)。WRマーフィー(18)は「(ミニキャンプは)とっても充実しているよ。チームメートとも仲良くなったし、ベテランもプレーに関して色々教えてくれる。ここに来れてとても嬉しいよ。俺はただフィールドに出て一生懸命プレーしてベストを尽くすだけだ。」とコメント。
フロリダ大時代にはゲイターズ(フロリダ大のチーム名)を2度全米王者に輝き、WR陣の間でリーダーシップを発揮しチームを引っ張った。WRマーフィー(18)はレイダーズでも同じ態度で臨むつもりだ。「俺は毎日一生懸命練習に取り組むだけだ。良いリーダーになるためにはまず学ぶことが大事。俺が今やるべきことはジェヴォン(ウォーカー)や(ジョニー・リー)ヒギンズや他のベテランからまず学ぶこと。いつかWR陣を引っ張るリーダーになりたい。チャンスは多いにあると思うよ。」と熱心に話した。
チームのミニキャンプは成功に終わった。レイダーズの選手達は2週間以内に再招集され、OTA(Organized Team Activities:自主練)に臨む。
ミニキャンプ2日目-QBガルシア(7)の加入、QBラッセル(2)の成長
5/9(土)、ミニキャンプは2日目を迎えチーム練習とチーム・ミーティングを行なった。レイダーズ・コーチ陣、選手共に残りのオフシーズンからトレーニングキャンプにかけてチームをどのように良くしていくかを感じることができる良い機会となった。既にプロでの経験を豊富に持っている選手、今からロスタースポットをかけコーチ陣に印象付けたい選手がいるが、共通意識としてあるテーマはどうチームを良くしていくか、個人としてどうチームに貢献できるか、である。ミニキャンプの間に焦点を当てられるのは今ドラフトで指名を受けた選手とアンドラフティッド・フリーエージェントとして加入した選手達である。ベテラン達はコーチ陣が期待したことを言葉やプレーで見せコーチ陣に印象付けている。
新加入選手のうち最も有名な選手は過去2シーズンに渡りタンパベイ・バッカニアーズのQBを務めたQBジェフ・ガルシア(7)である。QBガルシア(7)は「自分にとって、家族にとって大事なのはもう全米中を引越しするのではなく、生活をシンプルにすることだった。」と語る。カリフォルニア州ギルロイ出身のQBガルシア(7)にとって、ベイエリアに戻れたことは幸せだったに違いない。大学時代はカリフォルニアのサンノゼ州立大でプレーし、CFLで経験を積み、NFLキャリア最初の5シーズンをサンフランシスコ49ersで過ごした。その後、クリーブランド・ブラウンズ、デトロイト・ライオンズ、フィラデルフィア・イーグルズで1シーズンずつ過ごした。QBガルシア(7)は「移籍するたびに、どうにかチームを移らないよう願っていたけど、フットボールというビジネスでは無理に近い。今オフシーズンにベイエリアに戻れる機会ができたことを神に感謝しなきゃいけない。」と加えた。QBガルシア(7)はNFLでプレーしたチームのほとんどで成功を収めてきたが、彼自身で自分の力を証明してきたと言える。「いつも若手と競ってきたから年齢は感じないよ。競争が自分のモチベーションでもあり、自分のフィジカルを維持するための準備に力も入れている。今までフィジカル的にもメンタル的にも健康な状態を保ってきた自負はあるし、自分がこのチームで貢献できること、役割を果たすことがあって遣り甲斐を感じるよ。」
QBガルシア(7)は若手選手にとっての先生役、リーダー役を担う。先発QBを務めるQBジャマーカス・ラッセル(2)に対し、「(ラッセルは)精神的にも成長していると思う。順調に来ているよ。オンフィールドでも良いアプローチをしているし、オフシーズンのチームからの期待に応えている。」とQBガルシア(7)はコメントした。QBガルシア(7)は「彼(ラッセル)が読みを間違った時、何らかの理由で正しい決断をしなかった時は遠慮なく話すつもりだ。自分達でコミュニケーションを図って自分の経験、考えを彼に伝え、彼自身が知識を吸収できればと思うよ。」と加えた。
オフシーズンの間、QBラッセル(2)はレイダーズの先発QBとして次のステップに進むために果敢にチャレンジしてきた。「フットボールはチームスポーツだから、まずはチームプレーヤーにならなければならない。俺はチームが俺に求めていること-チームのリーダーになること、チームを引っ張るQBになること- に対してできること全てをやってきた。」とQBラッセルは話す。QBラッセル(2)はコーチング、ティーチングを受けることできるこのミニキャンプでまた一歩成長できる機会として見ている。「毎回の練習に出て、ミーティングで戦術を理解し、また練習。自分の実力をつけていくよ。」と加えた。QBラッセル (2)はQBガルシア(7)に対して、「彼はチームに良い意味で個性をもたらしている。フィールドの中でも外でも良い人格者であり、プレーでも実力を兼ね備えている。」とコメントした。両選手のミニキャンプでの存在感は明白で、チームメートが二人の好調さに気づかないわけがない。両選手に対し、「ジャマーカスは昨年に比べてかなり良くなったね。よく練習しているよ。ジェフは既に実力があるベテランだから一緒にプレーできて学ぶことは多い。」とQBアンドリュー・ウォルター(16)は評した。
ミニキャンプ開始-ルーキー、ベテラン、それぞれのミニキャンプ
5/8(金)、午前からカリフォルニア州アラメダにあるチーム施設で、オークランド・レイダーズの3日間に渡るミニキャンプが始まった。ミニキャンプ初日にまず2選手がレイダーズと契約した。レイダーズはプロ17年目を迎えるベテランFBロレンゾ・ニール、プロ3年目のRBゲリー・ラッセルと契約した。両選手とも初日から練習に参加している。FBニールはお気に入りの背番号41を着用し、2年目のRBルイス・ランキンが背番号を41から40に変更した。
ミニキャンプ初日に一番注目を受けた選手は今ドラフト1巡目に指名を受けたWRダリアス・ヘイワード-ベイ(12)。プロとしての初練習を終えたWRヘイワード-ベイ(12)は「(練習は)最高だったよ。他の選手と同じくフィールドに行って色々学んだ。いくつか良いプレーも決めたので初日は全体的に良くできたんじゃないかな。」とコメントした。
対照的に、アンドラフティッド・フリーエージェントとしてチームと契約し、開幕ロスター入りを狙うためにミニキャンプを迎える選手もいる。ルーキーLBフランツ・ジョセフ(49)もその1人だ。「俺はボストン・カレッジで先発で出ていたけど、実家で色々と問題があった。母親の健康が優れず、経済的な問題もあったから実家の近く、家族の近くにいるためフロリダ・アトランティック大に転校したんだ。転校してからは今までの道のりはタフだったけど、スカウトが自分の事を見てくれてNFLに入ることができたから、今はこの機会を逃さずにフィールドに出てカットをクリアしていくだけだよ。」とLBジョセフ(49)は説明した。
もう1人のアンドラフティッド・フリーエージェントは南ユタ大出身のWR ニック・ミラー(89)。小規模の大学出身だが、WRミラー(89)はこの数少ないチャンスを物にした。「(アンドラフティッドとしてチームに招待されたことは)、良いチャンスをもらった。レイダーズは自分の長所の何かを見たんだろうね。レイダーズは自分のスピードを見てチャンスをくれた。俺はスピードがあること、NFLでプレーできることを証明したい。俺はアンドラフティッドプレーヤー(ドラフトで指名されず、フリーエージェントとしてチームと契約する選手)だから、皆に自分が持っている能力を見せたい。」とコメントした。
WRヘイワード-ベイ(12)、LBジョセフ(49)、WRミラー(89)や他のルーキー選手にとってはプロ選手としての旅の始まりである。ルーキーとは対照的にベテランFBロレンゾ・ニール(41)はシルバー&ブラックの一員としてNFLのキャリアを続けられる喜びを感じている。FBニール(41)は「俺は非常に興奮している。NFLに17年間高いレベルでプレーできるということは恵まれているし幸せなことだよ。レイダーズとしてチャンスをくれたオーナーのデイビス氏、コーチングスタッフに感謝したい。才能に溢れているチームだし、これからが非常に楽しみ。」とコメントした。FBニール(41)はこれまでのキャリアで4度プロボウルに選出、オールプロ・スクワッドには2度選出されており、レイダーズではランプレーの強化のために契約に至ったと感じている。「レイダーズは数々の伝統がある。今からやろうじゃないか!今から。今年からやろうじゃないか。俺は去年ボルティモアでプレーした。俺が入る前年チームは5試合しか勝たなかった。俺が入った昨シーズンはAFCチャンピオンシップまで行った。これはフットボールだ。人がただ予想するファンタジースポーツじゃないんだ。」とFBニール(41)は力強くコメントした。 RBダレン・マクファデン(20)、RBジャスティン・ファーガス(25)、RBマイケル・ブッシュ(29)を中心とした強固なRB陣に加わるFBニール (41)は自分の役割、どうチームに貢献できるか理解している。「フットボールはフィールド上でどうプレーし、オフフィールドで何を学ぶかだけじゃないんだ。見えないところから成果は出るものなんだ。俺がなぜ17年間もNFLでプレーできているのかをチームに見せる。ミーティングをやろう。エクストラフィルムを見よう。ウェイトリフティングをしよう。限界値を超えよう。オフの日にチーム施設に来ずに休むのではなく、何かエキストラでできることをやろう。週日の練習、ミーティングで日曜日の試合の勝敗が決まる。日曜日に向けて何をやってきたかが分かれば試合はあくまでシンプルなもの。ゲームは全て練習と試合に向けての姿勢で決まる。ベテランの俺としてリーダーシップを出して若手の手本になるのは義務みたいなもの。だから俺はチームを引っ張ることに対して非常に興奮しているよ。」と熱くコメントした。